104) 守護霊様(!?) [自伝本『私のこと』]
誰に応援されたわけでもないのに、希望を取り返した私は
彼に対しても、仕事に対しても、まっすぐに見直しはじめていた。
ヘアーショーの出張に大忙しだった頃
大阪でのショーの当日、信じられないことが起こったのだ。
大概、社長の嶋が出演するような大きなショーでは、前日に 会場入りし
モデルのオーディション・フィッティング・照明、会場のリハーサル等
食事をするヒマがない程 忙しい。
この日は 特に、嶋との打ち合わせも難航し、何度となく 夜中までのミーティングが続いた。
やっと自分の部屋に入ったのが、明け方の4時を過ぎていた。
さっきの話では、朝食の集合は6時半、会場に8時前には到着予定・・・。
疲れきった頭と体をなんとか動かし、シャワーを浴びた。
きれいにベッドメイキングされているシーツとベッドカバーをそのままに
用意されていた浴衣を着て、ちょっと横になっていた。
≪6時半に集合するためには 5時半には起きて、シャワーとメイクと・・・≫ など
あれこれ考えていたら、なかなか眠れそうにもない。
備え付けのデジタル時計が、丁度 5:00 になった。
≪あ゛−・・・ あと30分かぁ・・・ ≫ と思った瞬間、有り得ない事が起こった。
自分の腕枕で真横を向いていた私の浴衣のひもを 持ち上げている人がいたのだ。
一瞬、 ≪えー・・・ ? ≫ と思ったが、それより ≪誰だっけ ? ≫ と以外に冷静であった。
普通、いきなり知らない人が部屋の中にいたら
びっくりして大声を上げそうなものだ。
だが、なぜだか、馴染める顔だったのだ。
知っている顔のような、好きなタイプの顔のような、身内にいる顔のような・・・
それは 当時好きだった ジョン・ローン という俳優さんに似ていたりして・・・
とにかく、馴染める顔だった。
まさか夢か ! とも 考えている自分がいる。
まわりの気配もそのまま、ちゃんと見えていた。
私をまたいで 浴衣のひもを持ち上げていた彼は、ゆっくりとそれを下ろし
私の目の前で 両手のひらを15cmくらい広げて なにやら集中している様子。
その手のひらから、きれいな青い気体が飛び出してきたのだ。
気体は どんどん丸くなり、やがて 手の大きさの球状になった。
球の中では、相変わらず 気体が ものすごいスピードで、でも ゆっくりと
まるで 生きているように 動いているのが見える。
≪うわ〜 きれい・・・ ≫ と思った瞬間、 ≪危ない ! ≫ と感じ
瞬時に、その気体の球を避けた。
彼が その気体の球を、私に振りかざそうとしたからだ。
球は、私の目の前で 左右に割れ、青い空気が頬をかすめた。
≪な、なにー・・・今の ! ≫
ほんとに一瞬ではあったが、その気体を浴びてはいけないと感じたのだ。
現実を理解できないまま 我に帰った時、セットしておいた目覚まし時計が鳴った。
JUST 5:30 だったのだ。
慌てた私は、予定通りの行動を起こすが、何か違う・・・。
まるで、あのポパイがほうれん草を食べた時のように
チャチャチャチャッチャチャーン ♪
ものすごいパワーが溢れそうになっているのがわかった。
当然、朝食に待ち合わせた他のメンバーの顔は、とても眠そうであった。
私だけは パワー全開で、今あったことを必死に説明していたが
誰一人として、真剣に聞くエネルギーが残っていないようであった。
お蔭で、大変なショーの準備も楽々こなせ、帰りの新幹線でも
皆が爆睡している中、どうにも治まらない私のエネルギーを沈めていることで必死だった。
その後、たまたま お客様の中に 気功をやっている人がいて
気功で 人の悪い気を払うやり方を聞いた。
それが、まるで 私が彼に受けた気体にそっくりだったのだ。
話は盛り上がり、彼女曰く、彼は “守護霊” なのではないか ! と言う。
さらに 別の日に、タロット占いを専門にやっている方にも聞くと、
同じような答えが返ってきた。
信じるかどうかは 別として、守護霊は大勢ついている場合もあるが
その時々で、一番都合のよい方が 助けてくれるという。
あの時、私は本当に助けられたのだ。
不思議なことは あるものだ。
だが、私に起こる 不思議体験は、まだまだ続くのであった。
2009年12月05日(土)