117) Balance 誕生 [自伝本『私のこと』]
独立すると決めてから、自分のやりたい事・やるべき事 を考えていた。
私が今まで生きてきた 考え方・趣味・性格 が形になる時だ。
一年間のブランクのお蔭で、いろんなものがリセットされ
誰に見栄を張るでもない自然体の自分の理想を形にすることが出来た。
場所は 代官山と決めていたが、駅近辺の便利なところやビルのテナントではなく
隠れ家のような場所で一軒家の・・・ “お家” 風サロンのイメージだった。
たまたま入ったカフェで、≪こんなところだったらイメージ湧くなぁ・・・≫
なんて考えていたら、丁度 もうすぐ閉店すると聞いた。
そこのオーナーは、お互い犬の散歩で 顔見知りであったため
出店希望の話を相談すると、いい返事が返ってきたのだ。
本当にラッキーだった。
≪想像していた事が現実になるなんて・・・。≫
そこから先は、どんどん決まってくる。
先ずは 店名だ。
迷わず 『 Balance 』 (バランス)と決めた。
ここに含まれる意味は、「両極端のモノを合わせ持つことのカッコ良さ」 である。
女性らしさと男性的、家庭的な温かさと都会的な洗練された感性、重さと軽さ・・・
店内は もちろん、私の人生 そのものも そうでありたいと願っているから・・・。
だから、ロゴも “B” の文字は 大文字で筆記体、
“alance” の文字は 小文字でブロック体にして
堅いイメージを優しく、小さいものをはっきりとしたイメージにした。
古来から 漢字には意味がある。
小さい林にピュア(純粋)な子がいる、という私の名前のように
ローマ字にも 意味をつけてみたくなったのである。
お店の 大枠なイメージは、“Chez Jun - 純子のお家” (気軽に立ち寄れるサロン)。
内装は 3つのコンセプトに分け、
家のリビングのような待合には、ソファーやカウンター そしてチョコ(犬)がいる。
施術を行うカット・スペースは、あくまで私のステージをイメージし
3段分の高さをもって オープンな待合と区切るようにした。
クリーンさを大切にしたシャンプー・スペースは、壁を設け
真っ白な清潔感いっぱいのスペースを作った。
お家のイメージでありながら、いかにプロの仕事場として成立させるか・・・
まさに それが Balance の由来である。
決める前に購入したアンティークのランプ達も
ダーク・カラーのウッド調をベースにした我が家のような待合にぴったりハマり
一番予算を掛けた壁には、イタリア産の 言わば漆喰(しっくい)を
微妙な3色、淡いオレンジ・薄いグレー・ホワイトの順で手塗りの重ね塗りしてもらい
深みのある白に仕上げた。
目立たぬ所に こだわったわけだ。
床材には、あえて色を揃えずに ヘリンボーン・フローリングをチョイスした。
随所に 私の好みをデザインした “お家” は、完成した。
Balance 誕生である。
でも、まさか この時は 思いもよらぬ “お家” になるとは
思ってもみなかったのである。
2010年01月26日(火)