年表

122) 実をつけた ! [自伝本『私のこと』]

新居に引っ越しをして、2ヶ月が経った頃・・・。
 
明け方、主人の寝言で目が覚めた。
彼は 寝ぼけながら、「もう、肉食べない・・・。」 と、
わけのわからない事を言うので、理由を聞いてみると
夢の中で、子供が産まれたのだが その子供のアトピーがひどく
医師から、「あなたが肉ばかり食べているからですよー ! 」 と
自分の顔に向かって指をさされたことが、ひどく心に刺さったらしい。
当時の彼は、ファッション業界の人々と夜中の焼肉ミーティングばかりで
体にいい食事とは ほど遠く、
そのことと 子供を作ろう話が 合体して、妙な夢を見たのだろう。
 
そう言う私も、次の日の夢で
産婦人科に行き、なかなか子供ができないので 調べて欲しいと言っている後ろから
看護婦さんに、「あなた、こんなところに赤ちゃん置きっぱなしにしてはダメでしょ ! 」
と言われ、なぜか あわてて 「す、すみません・・・。」 と、
大急ぎで赤ちゃんを抱えて立ち去る・・・という夢を見たのだった。
 
そう、無意識に 私達は子供のことばかり考えていたのかもしれない。
 
そんな ある日の朝
玄関ポーチに置いてあった “クワズイモ” という観葉植物に目がいった。
それは、私がスタイリストになったばかりの頃
5鉢 ¥1,000 で購入した、サトイモ科の常緑性多年草の鉢植えだ。
サトイモに似ているが、名前の通り 食べられないので
「不喰芋」(食わず芋)と呼ばれているのだが
古くから “カエルの雨傘” として戯画に描かれている
素朴な味わいのある大きな葉を持つ観葉植物である。
 
引越しの度に、一鉢 また一鉢と 枯れてしまい、最後の一鉢になっていた。
そのクワズイモに思わず目がいったのは、今までに見たことのない状態であったから・・・。
なんと、実をつけていたのだ。
もともと この種は、九州や沖縄など 高温多湿の所ならまだしも
東京のベランダや室内で、花を咲かせ 実(種)をつけることは難しいものであった。
それが、花にも気付かず この時とばかりに実をつけていたのだ。
私は ≪もしかして・・・≫ と思い、早速 妊娠検査薬で調べてみたくなった。
 
ビンゴー !!!!!  だった。
 
取り急ぎ、近くのクリニックへ行き 調べてもらったのだが
先生から、「たぶん妊娠していると思われますが、来週もう一度 調べましょう。」
と言われ、さらに 「なぜ妊娠していると思われたのですか ? 」 とも聞かれた。
私は、まさか クワズイモが・・・とも言えず、答えに苦しんでいると
「通常なら 早くて妊娠2ヶ月でわかるところ、早すぎて診断出来ない。」 ということであった。
翌週の仕切り直しで やっぱり妊娠していることが判明した。
 
月並みな言葉だが、うれしかった。
 
身近な人々に、このことを報告すると共に
これからの仕事と生活をどう考えていくか、という
大事な課題に直面することになるのであった。
 
 
 
 

2010年02月12日(金)

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