132) 命名 part? [自伝本『私のこと』]
第二子の妊娠8ヶ月の頃、やっぱり こちらも性別不詳・・・。
≪私の子は 隠したがるようねぇ〜 ≫
でも、なんだか また男の子かも・・・と思っていた。
ある日の朝、すごい夢を見た。
長テーブルに習字の紙と 筆を持つ私。
それを見守る主人とスタッフ・・・。
≪何を書くのだろう ? ≫ と思いつつ、夢の中の私は 迷わず筆を走らせている。
私の名字の後、名前を書き始めた。
「美空(みく)と言います。女の子です。」 と告げた後
主人は、「悪くないねぇ〜。」 と言いながら立ち去る後ろ姿。
夢から覚め、隣の主人を起こし この話をした。
「お腹の子は どうやら女の子らしい。
名前は、“美しい空” と書いて 『みく』 と言うんだって・・・。」
それを聞いた主人は、「悪くないねぇ〜。」 と言いながら立ち去る後ろ姿。
「ちょっと待ってー・・・。」
まるで夢の中と同じ言葉、同じ行動に 驚いた私は
彼に夢の詳細を語ったのである。
ただ、この名前は 自分達で決めたのではなく “ 夢のお告げ ” のようなものである。
女の子ということでさえ 半信半疑だったし、美空という名も全然愛着を感じない。
主人にしてみれば、2人目こそは 自分の意見で命名したいはずだ。
妙な夢を見てしまった私は、いろんな意味で迷うことになる。
ある日、たまたま二人のお客様にこの話をした。
一人は、「予定日が5月なんでしょう、5月と言えば 五月晴れ(さつきばれ)と言って
一年でお空が一番澄み渡るいい時期ね。」
「美しい空と書いて 美空なんて いい名前ね・・・。」 と話してくれた。
それを聞いた私は ちょっと愛着を感じ、可愛らしい女の子を想像した。
二人目の方は、スピリチャルな仕事をされている方で
「子供は親を選べないと よく言うけど、本当は逆よ ! 」
「今生の使命をわかっているからこそ、どの親の元で生まれるか ちゃんと選んでいるのよ。」
さらに、「意志の強い子ほど、その運命に沿った名前を付けて欲しいと
夢などで告げてくるケースもあるわ。」
「イヤでなければ 付けてあげるといいわ ! 」
私は思った。
≪もし 本当にそうなら、違う名前にして運命が変わったら可哀想だよね・・・。
美しい空のような人生になるために生まれてくるのだとしたら・・・。≫
考えている私に さらに彼女は こう告げた。
「後で 全てがわかるわ ! 」
私達は、静かに 生まれ出る日を待った。
生まれた日は、雨のち曇りの どんよりとした冴えない天気だった。
その空を眺め、
≪この子の人生が、日に日に 澄み切った美しい空のように変わっていきますように・・・≫
と、お祈りしながら、ずっとずっとグレーな空を眺めていたのだった。
2010年03月18日(木)