153) 母として [自伝本『私のこと』]
人はなぜ子孫を残していくのだろう・・・。
子供を作らず、ペットを飼う時代とまで言われているが
子供とペット・・・どちらも可愛いことに違いはない。
結婚と同じく、独りでいるほうが楽 !
大人二人のほうが楽 ! なのである。
楽だけど、今は楽だけど、人間は最後まで一人では生きられない。
年を取り、体が不自由になると誰かのお世話にならざるを得ない。
ほとんどが 親は先に他界するわけだから、昔からこの理屈ありきで家族をつくってきた。
でも本当は、それだけではない。
愛する人と共に育てていく子供の存在の大きさは、はかり知れないものだ。
遺伝子的に言うと 二人のコピーであるが
そのパーセンテージの違いと後天性の違いで、予測不能な生き物になる。
だから 子育ては大変なのである。
だからこそ 子育ては面白いのである。
私は子育てのお蔭で、ずいぶん仕事量を削ってきたし お金も掛かった。
でも 子供を産んで育てていくこと、共に生活していくことを
本当に幸せだと感じている。
強いてこの場で 私の子育て論を言えば
“可愛がられる性格” に育てること !
何才になっても 親以外の人に可愛がられることは、とても重要である。
これは、母から受けた子育て論に他ならない。
具体的に述べるとすると、
?とにかく応援してあげる。
好きな事に対し、一緒に熱くなってあげること。
大人になっても、仕事や趣味に熱くなれる人間になって欲しい。
熱くなれれば、おのずと集中力がつき 結果を出せる人間になるであろう・・・。
ついつい結果を求めるが、親は何事においても ただ愛情と応援あるのみ !
?親は完璧でなくていい。
親の機嫌の悪い時、体調が悪い時、失敗・・・いろいろ見せて
人の機微(きび)を感じて、うまく対処できる人間になって欲しい。
時には、問答無用もありだろう・・・。
社会に出たら、理不尽な上司など山ほどいるだろうから。
そんなストレスに負けてはいけないのだ !
?環境を広げる。
子供の環境だけでなく、親のまわりを含め 全ての人のつながりを見せていく。
子供だから子供の社会・・・ではなく、いろいろな場面を見せていくことで
大人になったら・・・の夢や憧れを抱いて欲しい。
親が尊敬できる人や職業は、子供にとっても素敵な人に映っているであろう。
夢や憧れを持てない子供だけには育てたくないものだ !
要するに、私がなって欲しい子供像とは・・・
ちゃんと喜怒哀楽があって、
機転の利く、
でっかい夢に向かって生きていける子だ !!!
まるで昭和初期の子供のようだ。
思う存分失敗して、泣いて笑って、友達たくさんに支えられ・・・
それでいいじゃないか ?
母親として、私が見せてあげられる後ろ姿は
これでいいと思っている。
2010年06月09日(水)