22) 美容師の子供 [自伝本『私のこと』]
美容師の母は、私のヘアースタイルを よく変えてくれた。
当時の 1960年代から70年代は、世界のファッション界において 強烈な時代であった。
マリークワント、クレージュなどが パリコレで ミニスカートを発表し
スーパーモデルのツィッギーが来日。
音楽や映画では、ビートルズ、マリアンヌ・フェイスフル などなど
たくさんのアーティストが、日本の母達に影響していた。
日本は、東京オリンピックをきっかけに
様々な “流行” という 大波に飲み込まれていた。
その当時の母の写真を見ると
間違いなく ミニスカートで、トンガリめがねに
まるで ソフィア・ローレンを彷彿させる みごとな巨大アップスタイルだった。
小学校の参観日などは、私の母だけ雰囲気が違っていたのを覚えている。
茶色の髪の巨大なアップスタイル、トンガリめがねに ミニスカートだ。
女優(?)が ここにいます! というファッションだった。
何となく 恥ずかしかったが、さらに恥ずかしかったのが
私の髪型だった。
生まれながらにして くせ毛だった私は
母の丁度良い実験台だったのだろう。
ツィッギーのような 有り得ない横分けペチャンコスタイルや
超短い前髪のウルフカット・・・。
その頃のお友達は、オカッパか普通のショートスタイルだったから
私の幼い頃の写真は 全部 <ザ・美容師の子供です!カット> だった。
すでに、美容師になった私からすれば
とてもよく理解出来るし、すごくカッコイイ ヘアースタイルだったと 感心している。
ただ 当時は、リカちゃん人形(1967年 初代誕生)に 夢中で
≪出来れば こんなロングヘアーがいいなぁ〜≫ と
ひそかに 憧れていたのだった。
現在、私は 母のソフィア・ローレン以上であろう “ロング モヒカン スタイル” で
長男の参観日に出席している。
こんなこと位は 乗り越えなければならない・・・。
美容師の子供の性(さが)であった。
2009年02月03日(火)