32) 初めての挑戦 [自伝本『私のこと』]
身体が弱い・・・ 何が どう弱かったか というと
すぐに気持ち悪くなり 吐きそうになる、もしくは
クラクラして 倒れそうになったりする。
原因もわからないし、親に 病院へ連れて行ってもらった記憶もない。
よく 独り言のように
「この子は 普通に大人になって、結婚したり 子供を産んだり出来るのか?
心配で 心配で・・・」 と言っていた割には
一度も病院で診てもらわなかったことが 不思議だった。
神経質な親でなく 良かったかもしれない。
当然のことながら、小学時代の私に “マラソン” という言葉はない。
最も苦手な 持久力というものを使わなければならないので
経験が ほとんどなかった。
だが、短距離は 速かった。
明るさと瞬発力は あったようだ。
そんな私に、中学校の行事で
“校内マラソン大会” という恐ろしい日が待ち受けていた。
学年・男女別で競うものだ。
もっと恐ろしいことに、体操部の先輩達が
「体操部の皆は 当然 20位以内だからねー!」 という
厳しい目と共に 有り得ない 御達し(おたっし)があったのだ。
一学年の女子は、およそ100人位だったから
それはそれは 恐ろしい数字だった。
他の部も 先輩達から 同様の御達しがあり
当然のことだが、皆 先輩怖さに 頑張るのだった。
しかし、私は・・・ その当時の私は
誰が怖かろうが、何のためだろうが、命に代えても 無理無理無理 だったわけで
むしろ 完走も危うかった。
ただ、中学入学以来の私は 何かが少し違っていた。
実は、その小さな変化を 自分でも自覚する時が来るのである。
2009年03月13日(金)