37) ダイエット [自伝本『私のこと』]
弱い弱い と思っていた身体も
(ただ単に 身体が成長しきれていなかっただけだったようだが・・・)
スポーツブラという鎧(よろい)と
色気のない愛情弁当という栄養補給によって
バージョンアップされた私は
いつしか トップを目指していた。
当然 一軍 昇格だ。
まず、目の前の先輩を越える・・・。
わかりやすい目標だ。
毎日毎日の練習は、真剣そのものだ。
大会の前になると、夜遅くまで頑張った。
部員の中には、練習がイヤで すごいウソをつく人もいて
何人か 身内を殺している・・・。
それが 後に バレバレになるのが おもしろい。
それでも 私達は、地区大会で優勝するまでの実力はあった。
未成長だった私は、部長にまで のぼりつめ
3年の校内マラソン大会では、ひとケタ入賞までに 成長した。
身体が成長したと同時に、他の問題も 持ち上がる。
そう・・・ ダイエットだ。
まるでダイエットと無縁なほど痩せていた私も
なんだか プリプリしてくる。
夕食時には、必ず母に 「少な目ね、これもいらない・・・」 と
不機嫌に文句をつける。
見かねた父が
「食べたいものも食べられないスポーツなんて やめてしまえ!」
と 吠える。
その通りかもしれないが
女性である母は、私の気持ちをわかってくれていた。
「太っちゃって 重くなって ケガでもしたら 大変だもんね」・・・
父にでも 納得してもらえそうな理由を瞬時に言ってくれた。
こういう時の母親とは、味方につけたい強力者(協力者)である。
学校の予算で、新しいユニフォームを作ってくれるという。
部長である私は、迷わず “白” にした。
普通、下着が透けやすい とか 太って見える などの理由で
濃い目の色のユニフォームが 当たり前だったが
私は、部員の心配をよそに 白にした。
なぜなら、時代は “コマネチ出現!” の真っ只中!
当時、話題のルーマニアのユニフォームは
白地に 脇カラー3本線だったのだ。
まったく同じカラーリングの既製品を見つけたからには
やっぱり それだ。
憧れの “ナディア・エレーナ・コマネチ”
憧れの 白いユニフォーム・・・。
≪あー 、 またダイエット 必須ーーー !! ≫
1977年 夏 の話であった。
2009年03月31日(火)