66) 発表会 [自伝本『私のこと』]
美容学校の後期、発表会をすることになった。
簡単に言えば、ヘアーショーやファッションショーの類(たぐい)のものだ。
リハーサルを含め 当日まで、デザイナー・モデル・スタイリスト・演出 など
全て 生徒と先生で担当する。
生徒の私達は もちろん 初めての経験で
思い思いのスタイルを作る。
当時は、ロックやパンク、ニューウェーブ といったファッションから
まるで ロンドンコレクションさながらの発表会であった。
私は 作り手になり、同級生の友人をモデルに “ドレッドヘアー” を作った。
友人は、もともと ショートヘアーだったが、サイドは刈り上げ
サイドパートの前髪に 腰までの長〜いドレッド風のエクステンションを着けた。
黒髪に黒いロングコート、退廃的なメイク・・・。
私は、不健全さの中のエナジーに惹き付けられていた。
実を言うと、先日 このころの同級生と担任の先生とで 同級会を開き
たまたま 先生が持ってきてくれた この時の発表会の写真を見たのだった。
んー、なつかしい・・・。
今 見ても、結構サマになっているではないか・・・。
自分だけのイメージで、一から十まで作り上げた最初の作品となった このスタイルは
一生忘れないだろう。
そして この時、ゼロから作り出すことの大変さと興味もまた
この先の美容師人生の “鍵” となったのである。
2009年07月10日(金)