年表

69) 面接 [自伝本『私のこと』]

ある方の紹介はあったが、私は 普通に受ける人と同じように面接された。
というより、私は 一回多く面接されただけだったようだ。
 
最初の面接の際に、どういう美容師になりたいか ? と聞かれ
父母に、呼び戻せないくらい立派な美容師になる と 心に誓った事を思い出し
「とにかく 雑誌に載れるようになりたい。」 と答えた。
父母に対し、何よりも説得力のあることだったからだ。
 
当時、6店舗ある中で 青山店を希望した。
面接の前に、3店舗は見学に行っていたが
青山店だけは、自分が働いていることを想像し、うれしく思えたお店だった。
 
その後、10年くらい経って 私が面接する立場になり、この頃のことを思い出すのだが
当時 私は どう映っていたのか と思い
その時 私を面接した方に聞いてみたことがある。
 
「大きなイヤリングを着けていて、明るい笑顔で きちんと挨拶していたよ。」
と、覚えていてくれた。
 
面接をする側から考えると、どんな人か判断する時には、やはり
見た目(ファッションセンス)、明るいか暗いか、社会人としての最低のマナー、
しっかりとした目標を持っているか・・・ となるだろう。
しかも、この業界独特な目盛りがあって、ほぼ一瞬でわかる。
 
人を引き込むオーラだ。
 
まさに 私の母が教えてくれた、たった一つの子育て論というべき考え方だった。
 
“オーラ” なんて 曖昧(あいまい)な言い方かもしれないが
すぐに得られるものではない。
それまでの人生で
人と同じように あるいは 人の陰に隠れて生きてきたものには
放つことの出来ない “自信と勇気” だ。
 
未来を期待して面接する側も、実は 過去の頑張りを見抜いているにすぎない。
 
そして 大切なのは、“人を引き寄せる” オーラであること。
 
奇麗になりたいと願う人は、奇麗な人に集まり
幸せになりたいと思う人は、頑張っている笑顔に惹きつけられる。
 
自分とまわりは一体なのだ。
 
美容師には、この二つとも不可欠なこと。
 
それが 人の髪に触れる仕事であり
喜んで頂き、ファンになってもらう
美容という仕事なのだから・・・。
 
 
 

2009年07月21日(火)

ページのトップへ ページのトップへ

powered by a-blog