151) 美容師として [自伝本『私のこと』]
人はなぜ職業をもつのか ?
働いて、お金を得て、そのお金で生活をする・・・。
どんな仕事でも生活は成り立つ。
その上で、やりたいこと・一生懸命になれること・得たい収入の額・・・
などを考え、人は職業を決める。
一つだけでなく、いくつか変えながら決まる場合もあるが
人生一度しかない時を、どう過ごすかが重要である。
私は 美容師という職業に決める時も、決めるキッカケになったことも
そして、美容師になった時も
いろいろなことを必死で考えて決めてきた。
もはや、仕事は収入を得るためのものだけではなく
人生の、一度しかない人生の “色” のようなものである。
何色になるのか・・・そして、その色をより鮮やかにしていくために
一人の拙い(つたない)人間が懸命に努力し、右往左往するのである。
今までの私の努力は、一人前の美容師になるための精一杯の努力と
独立して、美容師としての生き方を世の中に当てはめてみて成立するための努力である。
これからは、スタッフや家族・お客様と共に
永く色褪せないように、そして 永く楽しめるように
人生そのものになっていく努力が必要なのだ。
そのためには、時々澄んだ空気の流れが大切だ。
一か所によどんでいては、色褪せてしまうからだ。
これからの美容師人生や Balance のことを考える時、思い出されることがある。
Balance のオープンの朝、入口を開けると 一匹のムラサキアゲハがひらひらと入ってきて
入口の対角線上である施術面の壁に、迷うことなくピタッと止まった。
きれいだったし、おとなしくしていたので、気にも留めなかったが
初日の仕事が終わったと同時に、またひらひらと出口から去っていったのだ。
もしかすると、誰かがこのムラサキアゲハに代わって見とどけに来てくれたのかもしれないと
察したほどの 偶然とは言い難い事実であった。
そして、オープンしてすぐに、知り合いからアンティークのサーフボードや
ツイストというアメリカのストリート・ペインターの描いたアート画が舞い込んできて
なぜか Balance に飾ってあるのだ。
そして今、日本人アーティストの段ボールで作った動物3体が舞い込んでいる。
良いか悪いかはよくわからないが、そんな舞い込み品も含めて
Balance の色になっているようだし、何より新しい風が向こうから吹いてくることに
ポジティブに考えてみる私であった。
これから 何をしていくか・・・
私の武器は、独立・結婚・出産・育児 と
女性のやりたいこと、やるべきことをやってきたことである。
同じ女性美容師さんにエールを送ることと、影響できる人間になること !
今までのように 撮影や講習・ヘアーショーなども、私らしく積極的に取り組みたい。
そして 最もやるべきことは、
私のまわりにいる 出来るだけ大勢の人の “信頼できる美容師” になることだ。
子供という家族が増えると、おのずと知り合いが増えてくる。
知り合った人 全員の髪を切れたら、本当に幸せなことだと思う。
私の夢・Balance 出店時の夢 は、これだった。
だからこそ 私の家のようなお店をつくったのである。
美容師を一生の仕事と信じ
幸せだと思える人生を勝ち取りたいものである。
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