150) 歯並び [自伝本『私のこと』]
私の母は、直感型人間である。
兄は 中学生の頃、歯の矯正をした。
兄と私は やや受け口気味で、噛み合わせが悪かった。
母は 女の子の私が矯正をすることになったら可哀想と思い
小学校入学前から、寝る時に “指しゃぶり” を勧めた。
親指で 上の歯を押すことで、器具を付けずに直そうと思ったのだ。
私は イヤイヤながらも、言われたままに指しゃぶりをして眠るようにした。
何日か、いや何ヶ月か経った頃、噛み合わせが直っていた。
今では、矯正なしできれいな歯並びの私である。
時が過ぎ、長男の乳歯が生え揃った頃、
やっぱり噛み合わせが悪く、交差咬合と診断された。
噛み合わせのズレで、前歯の左2本が内側に入ってしまった。
とりあえず、母から言われたことを思い出し 私も長男に指しゃぶりを勧めた。
彼の歯も、半年も経たないうちに すっかり直っていた。
一般的には 指しゃぶりが原因で、歯並びが悪くなるケースをよく聞くが
母のアイディアは、それを逆手にとったファイン・プレーなのだ。
だが、喜んでいるのも束の間・・・
彼の永久歯への生え換わりの際、また歯並びの事で悩むことになる。
顎や顔の骨格が小さいせいで、大きな永久歯が入りきらないのである。
未だ 矯正には取りかかっていないのだが
なるべくなら 母のアイディアで、乗り越えてみたいものである。
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