107) インタビュー [自伝本『私のこと』]
某 美容業界誌のインタビューを受けた時のこと。
なぜ美容師になったか ?
アシスタントの苦労話は ?
どのような努力をしてきたか ?
これからの方向性は ?
など、たくさんの質問に答えながらインタビューは進められた。
終盤にさしかかり、「独立は しないのですか ? 」 と直球を投げてきた。
当時、お客様をはじめ 外部からもよく聞かれていたので
ためらいもせず、はっきりと答えていた。
「私は、一生現役プレイヤーでいたい。
監督、オーナーには あまり興味がない。
私をプロデュースしてくれるなら、所属はどこでも構わない。
ただ、今は それがベストと思えるところが SHIMA だと確信している。」
と、答えていた。
私なりの素直なコメントであった。
正直、SHIMA の経営・コンセプト・センス・技術・社長の性格 まで
イヤだ、と思うところは一つもなかったし
過去に、美容学校の討論会で発言したとおり
私のやりたいことを達成できる “ 器 ” のある会社だと思っていた。
ただ、インタビューが終わったころ 何となく私の中で 引っかかるものがあった。
それは、年齢 である。
確かに 現役プレイヤーなら、このままでいいかもしれないが
40代、50代と年を重ねる度に 私の望みも変わるだろう。
しかも、会社の方が 若手起用に励み、戦力外通告にもなりかねない。
ふと、自分の年齢が <希望と現実のハザマ> にいるのだと気付いたのだ。
本当の意味で、自分の将来を考えなければいけないのだ。
夢に向かって ただひたすら走っていた私が、はじめて立ち止まった時だった。
SHIMA 以外のところで 美容師を続けるなんて、全くイメージを持たなかったが
将来の “ 私のフィールド ” について考え始めていったのである。
2009年12月19日(土)