126) 妊娠終盤 [自伝本『私のこと』]
妊娠8ヶ月頃になると、身動きもスローになり 疲れ易く 眠気が強くなり
営業の終わる9時から、レッスンが終わる11時頃まで
サロンでウトウトすることもあった。
我ながら 身重の体でよく頑張ったと思う。
つわりとは違うが、食べ物の好みが変わり 甘いものが妙に欲しくなった。
以前の私は、甘いお菓子などは 自分で買ってまで食べなかったし
コーヒーは ブラックが好きで、朝の定番として必ず飲んでいた。
しかし、この頃から コンビニで見かけるスイーツ系を買って食べ
コーヒーに ミルクやお砂糖を入れて飲んでいた。
自分で自分がおかしかった。
これも 子供が欲しがっているのだろうと 自然体で過ごしていた。
昔は 妊娠している時期こそ 胎児のために栄養を摂らなければならなかったが
今では、あまり太ってしまうと 逆に注意されるのだ。
私の場合は、出産するまで7kg増で済んだので 優等生であった。
ただ、鉄分・カルシウム・たんぱく質などには 気を配っていたものの
大穴は、カリウムであった。
これが不足すると、足がつる。
妊娠終盤の大きなお腹になって、夜中に足がつると 悲惨なことになる。
つっている足先やふくらはぎに 手が届かないのである。
何度となく、主人にさすってもらい その場を凌いだ。
カリウムは、さつまいもやバナナなどに多く含まれるのだが
この状態を阻止するためには、かなりの量を摂取しなければならない。
しかも、唯一 私の苦手な食べ物たちだった。
そこで、医師に聞いた「ポポンS」という栄養補助薬品を飲むことにした。
これが結構よく効いた。
この栄養剤は、授乳時期にも問題なく飲めるらしい。
母体は、胎児や乳幼児にいろんな栄養を取られるものなのだ。
まさに、身をけずって・・・ということだ。
こんな事態に耐えながら、出産予定日を待つことになる。
安産かどうかは 遺伝する、と言われているが
初回は やはり 心配になるものである。
そして、興味は性別である。
8ヶ月すぎの超音波検診では、羊水の量や胎児の骨格をはじめ
けっこう細かいことまで調べられるのだが
担当医師に性別を聞いたところ、 「・・・あっ ! ・・・」 と一言。
何か まずいことになっているのかと心配したが
「めずらしいくらい、お行儀よく 両膝をつけて足を閉じていますよ。」
モニターを見せてもらうと、思わず吹き出してしまった。
結局、それから先も 性別不詳のまま 本番を迎えることになった。
どんな風に生まれ、どんな子なのか、
ただただ 待ち遠しい日々を過ごしていくのであった。
2010年02月27日(土)