136) 一年間の成長 [自伝本『私のこと』]
1才になる頃までに、赤ちゃんは ものすごい成長を遂げる。
手や足をいっぱい動かし、
目が見えるようになり、
母親や家族を認識できるようになり、
表情が豊かになり、
首が座り、寝返りやお座りも出来るようになる。
徐々に食べ物を口にしたかと思えば
いつしか 何でも食べられるようになる。
摑まり立ちしたと喜んでいるうち
ちゃんと歩けるようになる・・・。
本当にたくさんの喜びと驚きを与えてくれるのだ。
ちなみに、犬にとっての一年間は 人間の18才に匹敵する成長なのだ。
一人前の大人として、子供を産むことが出来るくらい・・・ということだ。
人間の場合は、犬などの動物に比べ 大人になるまでに時間もかかるが
親をはじめ、まわりの大人たちの “お世話” が必要だ。
特に 生後一年間は、おっぱいやミルクから 食事が摂れるまでの
『離乳食』 が肝心だ。
何となく離乳食のことは 理解していたのだが
いざ一口目となると、心配になるものだ。
白湯や麦茶をクリアーし、いよいよ果汁に挑戦だ。
丁度 5ヶ月を過ぎたころから、桃の果汁を2倍にうすめ スプーン1杯の量から始めた。
哺乳瓶に慣れていた口元にスプーンがあたった時と
初めて桃の果汁を飲み込んだ時の、妙な表情は忘れられない。
徐々に 重湯やおかゆ、裏ごしした野菜スープなどに変わっていく。
この時 知識として得た事は、離乳食には 初期・中期・後期を意識して
初期には、飲み込みやすいドロドロ状のもの。
香りの強い野菜は避けて、味付けもほとんど無い状態である。
中期には、歯ぐきでもつぶせるくらいのやわらかさで
アレルギーを起こしやすい食品(小麦・大豆・卵など)にも挑戦する。
初めての場合は 必ず午前中に食べさせてみて、体調の変化に備えるのだ。
後期になると、やっと食事らしくなり いろいろな食材が登場するのだ。
形状だけでなく、お肉や魚にもベストな順序があるようだ。
俗に言う、“白から赤” に変えていくのだ。
お肉では、鶏肉・豚肉・牛肉の順に・・・。
お魚では、鱈などの白身魚・鮭などのピンク色・鮪などの赤身となるらしい・・・。
他にも 蜂蜜は1才を過ぎるまで与えてはいけない、とか
納豆にも火を通してから与えた方が良い、など
様々なルールがあることを知っておかなければならない。
私の場合 内容もさることながら、環境が仕事場であったため
持ち運びを考え、作ったものを冷凍させて用意した。
いろいろな種類をたくさん作っておけば、組み合わせで多数の栄養素が摂れる。
もともと料理は好きなほうであったので、楽しんで作っていた。
そして 成長で一番感動的なことは、やはり彼らの足で立ち 歩いた その一歩であろう。
この感動的な瞬間だけは 見逃してはいけない。
主人と私と、タイミングよくスタッフも この瞬間に立ち会ったが
奇声と共に、涙が溢れ出ていたことを思い出す。
そして、子供達の得意げな テンションの高い 顔つきや歩きっぷりを
忘れることができない・・・。
彼ら自身、どうしようもなく高揚していたに違いない。
その後も、あれが出来た これが出来たと 数々の成長を遂げるわけだが
自ら 立って歩いた ! という感動に勝るものは無い。
『3才までで親孝行が終わる』 と言われているが、本当に そうかもしれない。
感動的なことが多すぎる・・・。
あとは、心配事が増えるだけかもしれない。
そう言いつつ、子供というのは 結構すごい生き物で
その後も 私を感動の渦に巻き込んでいくことになるのである。
2010年04月02日(金)