137) 保育園 [自伝本『私のこと』]
第一子が生まれて 3ヶ月間のお休みをした後
約1年間のサロンと育児の両立に励むことになったが
その後は 保育園に通うことを考えていた。
年度明けの4月から、1才児として保育園に入園させるために
11月くらいから、近くの2〜3園を見学して希望の保育園を決める。
何事も初めて体験することで、細かいことが気になるものだ。
一番近くの保育園では、園長先生が応対してくれた。
彼女は忙しいにもかかわらず、私達の心配事や質問に丁寧に答えてくれた。
お蔭で不安が一気に解消され、ここを第一希望と決めた。
いろいろな準備を済ませ、4月1日から入園となった。
初日は保育園やお友達に慣れるため、約1時間 親子で遊びながら過ごすことになる。
次の日は子供だけで半日過ごすのだが、私と離れる時 泣かなかった。
問題は3日目である。
1才児とはいえ、ここに来るとママと離れて過ごす・・・ということを理解するのだ。
朝から 私のうでをギュッとつかみ、警戒する。
≪すごいなぁ〜、わかってるんだ〜・・・≫
大抵の子供は、預け始めて一週間くらいは ママを後追いし泣いてしまうが
楽しい所だとわかってくると、ちゃんとバイバイできるようになる。
最初の頃だけでなく、1〜2年経った頃にも 案外 甘えて泣いてみせることがあるが
後ろ髪ひかれる思いで 泣きじゃくる我が子を残し
見えない所から そっとその後の様子を覗き見すると、
切れのいいところで ≪よし ! ≫ と言わんばかりに
180度気分を切り替え、ニコニコで遊び始める・・・。
≪うそでしょう・・・≫ と目を疑いたくなる光景に、何度も苦笑した。
まぁ、子供に騙されるのも悪くないか・・・と余裕のある時は思えるのである。
育児本などで 保育園に子供をあずけることを批判的に言う方もいるが
決して悪いことだとは思わない。
私は、保育園は国の宝だ ! くらい重要性を感じている。
もちろん 親が子供を育てるべきであるし、
できるだけ一緒にいるほうがいいと思う。
だが、仕事をしながら子供を育てることに理解と援助が必要だと思う。
逆に 核家族では 密室育児になりやすく、母親や子供にストレスがたまったり
公園デビューの失敗や、他の子供とうまく遊べないなどの
問題が発生することも少なくない。
今では もう8年間、保育園に通い 感じたことは
自分ができない時間を保育園が補うのではなく
単純に 保育園という環境がすばらしい ! の一言である。
幼いうちから 親以外の大人にも可愛がられ、信頼し合えることを知る。
同じ年齢の子供達と刺激し合いながら、たくさんのことを覚えてくる。
季節や年齢に合った行事や様々な体験を、積極的に行ってくれる。
挙げたらきりがない・・・。
一言で保育園といっても様々な状況があるだろう。
私の環境は ただ単にラッキーだったのかもしれないが
これまで、どんなに保育園や先生方に感謝したことか・・・。
送り迎いが大変・・・などと言っているうちが まだいいほうで
小学生にもなると、親の頑張りではどうしようもない心配事が山のように増えてきて
あぁ、あの頃がまだ楽だったなぁ・・・なんて
元気なら OK ! の保育園時代をなつかしく思うことになる。
いろいろな角度から、少子化・子育て支援 と論じている今日ではあるが
私は思う。
日本は、特に東京には もっと保育園を作るべきである。
産んだら、いつでも保育園を選択できる・・・。
そんな安心出来る環境があれば、もっと子供が増えるであろう。
国全体で、大人全員で、子供の環境をつくるべきである。
2010年04月07日(水)