年表

36) てんぱー [自伝本『私のこと』]

私の父は くせ毛だ。
それも かなりのクラシカルウェーブ。
母は 直毛で、兄は 母似のストレートヘアー。
私は 父に似てしまった・・・。
  
どちらが 損か得かは言えないが
“隣の芝生は青く見える” で
私だけの気持ちで言うと <似てしまった・・・> と言わざるを得ない。
 
生まれた時から くるくるで、気にも留めなかったことだが
思春期となると話は違う。
しかも、成長期のホルモンの変化にも押されて
この頃が、くせ毛の絶頂期とでもいうくらい すばらしい(?)くせ毛だった。
 
はっきり言って 嫌いだった。
 
体育で 少し汗をかいただけで、烈火のごとく 形が変わっていった。
まわりの友達は、サラサラした艶のある髪。
走った後、手をひざにあて ハァーハァーと呼吸を整えていると
つい 髪に目が留まる。
そして 次の瞬間、姿勢を正した時の 髪の戻りように 目が釘づけになる。
 
なぜだ!  私の髪は戻らない・・・。
 
コンプレックスの始まりだった。
 
中学生の時の あだ名は 「てんぱ」 だった。
私の胸の内を知っている幼なじみの友達は、相変らず 「じゅん!」 と呼んでくれたが
当然 「てんぱー」 は イヤだった。
 
≪そのまんまじゃん・・・≫
 
追い討ちをかけて 最悪だったのが
「家がパーマ屋だから くるくるなのか?」 と言う同級生。
さらに
「家がパーマ屋さんなのに パーマかけなくていいなんて
いいわねぇ〜 お金かからなくて。」 と言う大人の言葉。
 
≪デリカシーに欠ける・・・ 人の気持ちを考えようよ! ≫
 
というか、私のくせ毛と家業をMIXに考えるのは おかしいだろ?
母似なら ともかく、父似なんだし・・・。
そして ついに 呼び名が 「パーマや!」 に なったりもした。
 
またまた 美容師という母の仕事を恨んだりする瞬間だった。 
 
 

2009年03月27日(金)

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