年表

75) 仕送り [自伝本『私のこと』]

父母は、兄の大学4年間 仕送りをしていた。
兄妹は平等に と、私にも4年間の仕送りをしてくれると言う。
 
美容学校の1年と あと3年ある。
ただ、私は働いている。
兄とは条件が違う。
 
私は迷っていた。
 
インターン生として同期入社の女の子は
両親の反対か、自身の反抗かで、仕送りは無い。
現実、技術者になるまでのお給料だけでは 生活は何とか出来るものの
勉強するために必要なものを満足に買えない。
結局 食費をけずるしかなくなるのだ。
彼女を見ていると、タフで自立しているという感じが カッコ良くも映ったが
私は考えた。
 
今、一番大切なことは、自分への投資である。
勉強する上で、必要なものをケチるべきではない。
夜遊びすることも、今は 必要なことだ。
 
私は、あと一年間は仕送りを受けることに決めた。
だが、一日も早く スタイリストになり、給料を上げること・・・
これが 私の目標でもあった。
 
それから、スタイリストになったら いい部屋に住みたいと願った。
 
当時、美容学校からの延長で お風呂なしの6畳一間
確か、家賃 ¥ 26,700 のアパートだった。
遅いレッスンが終わって 家に着く頃には
近くの銭湯は終わっていたりした。
 
まだ 小さい子供がいた叔父の家に
夜中、お風呂に入れてもらうことは とても悪い気がしたものだ。
その時の小さかった子も 美容師になったと聞いた。
なんだか うれしい。
 
人それぞれ、一人前になるまでの苦労はあるだろうが
私にとっては
仕送りをしてくれた両親の思いと
夜中に お風呂や夜食のことを気遣ってくれた叔母には
感謝の気持ちでいっぱいである。
 
 
 

2009年08月21日(金)

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