85) カットコンテスト [自伝本『私のこと』]
SHIMA に入社する人数は、毎年5〜60名にもなるが
全員がスタイリストとしてデビュー出来るわけではない。
途中、いろいろな理由で辞めていく人がいて
結果的には 各店2名前後がデビュー出来る水準に達する。
たくさんある行事の一つに、デビュー前後の2ランク(2学年とでも言うか)が対象となる
自社のカットコンテストが行われる。
ヘアーショー同様に、来年は自分達が・・・ などとワクワクして待っていたのだ。
モデル選びから、ヘアースタイル、メイク、コスチューム など
全て自分がセレクトし、競い合う。
審査員は、嶋をはじめ、ディレクター、各店長などである。
ファッション雑誌や話題の映画など、あらゆる資料をもとに決めていくのだが
当時の憧れは、やはり外人だった。
日本人の骨格や髪質に比べ、外国人のそれらは とても素敵に映った。
私は、外人 もしくはハーフのモデルさんを探し始めた。
英語は、高卒以来のあまり役立たないものであったが
熱意がものを言っていたのであろう。
それ以来、英語に対する恐怖心はなくなったようだ。
ヘアーデザインは、マッシュルームベースのナチュラルなショートスタイル。
外人特有のやわらかいくせを生かして仕上げた。
まるで雑誌や映画のワンショットのようなナチュラルなスタイルを
どうしても作り上げたかったのである。
結果は2位。 私はイメージ通り出来て満足だった。
だが 同時に、 “ナチュラル” という広い定義が
ずいぶん 難しいものだ、ということを考えさせられた。
とても楽しい一日であった。
2009年09月29日(火)