105) 死後の世界 [自伝本『私のこと』]
今まで 何度となく “金縛り” に会ったり、守護霊と言わざるを得ない体験をした私は
スピリチャルな世界にも興味を持ちはじめていた。
ある朝、伯母が亡くなったと知らせがあった。
父の姉で、私の実家の近くに独りで住んでいた伯母だった。
実は その日の前夜、私は彼女の声を聞いている。
正確に言うと、らしき声が聞こえた気がする。
真夜中の12時頃、テーブルに私の体がぶつかった瞬間
普通ならば 「ガタン ! 」 とか 「ギギー ! 」 という音が聞こえるはずだ。
それなのに 聞こえたのは、「ジュンコ ! 」 だったのだ。
たぶん 空耳だろう・・・と思ったが、聞いたことのある声だった。
何となく 気になりながら 寝入った朝、伯母の知らせを聞いた。
≪やっぱり あの声は伯母さん ?! ≫ と思わずにはいられなかった。
すぐに お通夜・告別式 のため帰省すると、父とその妹達が変なことを話していた。
伯母が亡くなったのは、脳溢血だったらしく
夕食後の片付けも まだだった時、突然 起こってしまったようだった。
独り暮らしで突然死の場合、警察の取り調べや検死などにより
確認が取れるまでは、身内であっても
物を動かしたり 食べた物の後片付けなどは 出来なかった。
知らせを受けた伯母の妹達が到着すると、彼女たちに異変が起きたのだ。
3人共、突然の頭痛に加え
「とにかく姉さんの家に行かなくちゃ・・・」 と言い
連れて行くと、冷蔵庫や流し台など キッチンを中心に
何かに とり付かれたように、もくもくと片付けはじめたのだ。
すべて やり終えて、落ち着いた様子の3人は
口々に、「よかった、よかった〜」 と言っていた。
それを見ていた父は、≪きっと気になっていたのだろう・・・≫ と思ったと言う。
伯母は とてもきれい好きだったので、これらを片付けたかったに違いない。
身内とは すごいもので、こんな話を怖がらず かえって皆 信じ切っている。
死後の世界があるかどうかは わからないが
身内ならば、その霊に 是非とも 会いたいくらいだろう。
何か言いそびれたことは ? やり残したことはなかったか ? ・・・
そんなことを考えながら 月日が流れ、また死後の世界を見ることとなる。
2009年12月11日(金)