147) 年賀状 [自伝本『私のこと』]
Balance がオープンしてから、毎年
年賀状 もしくは X'mas カードをオリジナルで作っている。
2004年の11月、今年はどんなデザインにしようか・・・と考えていると
3才半になる RIKI が描いている絵を見て、衝撃が走った !
大胆な構図に、斬新な色使い・・・。
子供の描く絵は、アートなのだ。
しかも、3〜4才までの絵に限る。
それ以前の絵は、ただ鉛筆を走らせてるにすぎないし
この年齢以降の絵は、常識的な構図になり よくある子供の絵になってしまうからだ。
アートとしてのチャンスは、この時期に限る。
実際、私は 3人の子供の絵をかなりストックしているが
この時期の絵は、すばらしい !
お気に入りの絵は、額に入れ 縁取りまでコーディネイトすると
何にも代えられないほどの、価値ある絵画になるであろう。
家では すでに、個展状態で十分に楽しんでいたが
この時期の絵で 年賀状を作る計画を立てた。
丁度、2005年は酉年(とりどし)だったので、RIKI にトリを描いてもらった。
この時 私の中で ある構想が湧き、習字に使う筆で描かせてみたのだ。
思った通り 大胆な力強いタッチで、今にも飛び立ちそうな鳥が描けた。
そこに 色を付けると言うので、クレヨンとクーピーペンシルを用意した。
大人の常識を超えた色合いと、
力を入れて描いたことによってできたクレヨンのカスが まわりに散らばって
ますます雰囲気のある鳥の絵が完成した。
一番大変だったのが、印刷に出す時 まわりのカスまでも精密に再現することだった。
より良く見せるために、紙の色をシルバーに決めた。
お蔭で、ものすごい高価な年賀状になってしまったのである。
MIKU が3才になる頃には、女の子らしい かわいいタッチの絵を上手に描いていた。
中でも 一番衝撃的だった絵は、『3人の天使』 というタイトルで描いていたものだ。
これを何とか残したいと、この年は X'mas カードとして印刷をした。
この時も 背景には私のアイディアを盛り込み、
X'mas Eve の夜空に、みんなの願いを叶える天使たち・・・
というイメージで 仕上げてみた。
このカードは、誰か有名なアーティストかイラストレーターに描いてもらったのだと
勘違いするほどの、人気だったのだ。
子供二人が挑戦したのだから、平等に 今度は NIKO の出番 ! と張り切った私であったが
子供にも それぞれ事情ってもんがあって・・・(笑)。
NIKO の場合は、絵心が芽生えるまでに時間がかかるタイプであった。
毎回同じ描き方である必要はない。
ひらめいた私は、彼に “ちぎり絵” をやらせてみた。
折り紙などを指先でちぎって、のりで貼っていくものだ。
3才半の子供にとっては、案外レベルの高い技術を要求されるのだが
かえって おもしろい形ができるため、鼠年(ねずみどし)用にねずみの形にトライした。
ちょっと アートとまではいかなかったが、ほのぼのとした年賀状に仕上がった。
子供は常に可能性を秘めている・・・と言われているが
ピュアな心と斬新な発想は、いつの時代でも変わることがない。
これらの絵を描いている時の我が子を見ていると
親とか大人とかの意識を超えて
≪カッコいいーーー !!! ≫ の一言に尽きてしまうのである。
2010年05月11日(火)